マーケティング基礎研修Chapter 2戦略レイヤー:STP・4P
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マーケティング研修教材 · Chapter 2

戦略レイヤー:STP・4P

「誰に・何を・どう届けるか」を設計する。すべての施策はここから逆算される。

市場の地図を描けるSTPで立ち位置を決められる4Pを整合的に設計できる
Section A環境分析——市場の地図を描く

3C分析:戦略の前提を整える

どんなに優れた施策も、前提となる市場理解がなければ効果は出ません。3C分析は「Customer(顧客)・Competitor(競合)・Company(自社)」の3つの視点から市場を俯瞰するフレームワークです。

C
Customer(顧客)
誰が・何を求めているか
ニーズ・行動・意思決定プロセス
C
Competitor(競合)
誰が・何を提供しているか
強み・弱み・差別化ポイント
C
Company(自社)
自社の強み・資源・制約
他社にない独自価値は何か
3C分析のゴール
3つのCを重ねた時に浮かび上がる「顧客が求めていて、競合が提供しておらず、自社が得意なこと」——これがマーケティング戦略の出発点になります。

SWOT分析:内外の要因を整理する

SWOT分析は、自社の内部要因(強み・弱み)と外部環境(機会・脅威)を整理し、戦略の方向性を見極めるツールです。

内部要因(自社でコントロールできる)
  • Strength(強み):競合より優れている点
  • Weakness(弱み):競合より劣っている点・課題
外部要因(自社でコントロールできない)
  • Opportunity(機会):追い風になりそうな市場変化
  • Threat(脅威):向かい風になりそうな市場変化
使い方のポイント
SWOTは「リストを作ること」が目的ではありません。「強み×機会」の組み合わせで攻める戦略「弱み×脅威」を回避する戦略など、組み合わせから具体的なアクションを導くことがゴールです。

Section A まとめ

Section A · Key Takeaways
3C分析で「顧客・競合・自社」の3視点から市場を把握する
SWOT分析で内部要因と外部要因を整理し、戦略の方向性を見極める
フレームワークは「埋めること」ではなく「意思決定に使うこと」が目的
Section BSTP——誰に・どのポジションで届けるか

Segmentation:市場を意味ある単位で分ける

「全員に届けたい」という発想は、結果として「誰にも届かない」になりがちです。セグメンテーションとは、市場を意味のある共通属性で分割し、アプローチ可能な塊にすることです。

軸の種類具体的な変数活用例
デモグラフィック年齢・性別・職業・収入・家族構成「30代既婚女性」
ジオグラフィック地域・都市規模・気候「都市部在住」
サイコグラフィック価値観・ライフスタイル・性格「健康意識が高い」
ビヘイビアル購買頻度・使用場面・ロイヤルティ「週1回以上来店」

Targeting:「勝てる市場」を選ぶ

ターゲティングとは、セグメンテーションで市場を分けた後、どのセグメントを狙うかを決めることです。自社の強みを最大限活かせる市場を選ぶことが、限られたリソースで成果を出す鍵です。

ターゲットを選ぶ判断軸
  • 市場規模は十分にあるか
  • 競合は強すぎないか
  • 自社の強みが活きるか
  • 収益化できるか
  • 成長性はあるか
良いターゲティングの例
  • 規模は小さくても、競合が薄い市場を選ぶ
  • 「全員」ではなく「最初に刺さる層」から始める
  • 一度勝てた市場を起点に横展開する

Positioning:「〇〇といえばこのブランド」を作る

ポジショニングとは
「ターゲット顧客の頭の中に、
競合と差別化された独自のポジションを確立すること」

ポジショニングマップは、2つの軸を設定して競合との位置関係を可視化するツールです。「価格(高い↔安い)」×「品質(高い↔低い)」の軸で競合を配置すると、空白地帯が見えてきます。

Section B まとめ

Section B · Key Takeaways
Segmentation:複数の軸で市場を分割し、アプローチ可能な塊を作る
Targeting:自社の強みが活き、勝てる市場セグメントを選ぶ
Positioning:競合との比較で「〇〇といえばこのブランド」を作る
は順番に設計する。P(ポジショニング)はS・Tなしには決められない
Section C4P——マーケティングミックスの設計

4Pとは何か

で「誰に・どのポジションで」が決まったら、次はそれを実現するための具体的な手段を設計します。これが(マーケティングミックス)です。

P
Product(製品)
何を提供するか
P
Price(価格)
いくらで提供するか
P
Place(流通)
どこで届けるか
P
Promotion(販促)
どう知ってもらうか

4Pの整合性が最重要

4Pの各要素は単独で考えるものではありません。ターゲットに対して4つが一貫していることが、マーケティングの効果を最大化します。

整合性が崩れた例
  • 高品質な商品なのに「激安セール」を打つ
  • プレミアムブランドなのにディスカウントショップに陳列
  • 若年層ターゲットなのに新聞広告に予算集中
整合性が取れた例
  • Product:厳選素材・製法にこだわったスキンケア
  • Price:8,000〜15,000円のプレミアム価格帯
  • Place:百貨店・公式ECに限定展開
  • Promotion:世界観統一のInstagram運用

Section C まとめ

Section C · Key Takeaways
4Pは「製品・価格・流通・プロモーション」の4要素で構成される
4つのPはSTPを起点に、整合的に設計することが最重要
SNS運用(Promotion)はあくまで4Pの一要素。Product・Priceとのズレがあると逆効果になる
Section DSNS運用への応用

STP・4Pの視点で運用代行を変える

クライアントのSNS運用を代行する際、STPと4Pの理解は「作業の質」を根本から変えます。

戦略理解なしの運用
  • 「なんとなく若い女性向け」という曖昧なターゲット
  • 「他社も投稿しているから」という理由でコンテンツを模倣
  • 自社の強みが伝わらない投稿が続く
戦略理解ありの運用
  • クライアントのSTPを確認し、ターゲットの行動パターンを把握
  • 競合との差別化ポイントをコンテンツに反映
  • 「このブランドらしさ」をSNSでも一貫して表現
クライアントへの確認事項(受注時)
① ターゲットは誰ですか?(S・T)
② 競合と比べた時の自社の強みは何ですか?(Positioning)
③ SNSはどのゴールのために使いますか?(認知・購買・リテンションのどれか)
④ 価格帯・販売チャネルと、SNSのトーンは整合していますか?(4Pの整合性確認)
まとめChapter 2 の学習を完了する

Chapter 2 まとめ

Chapter 2 · All Key Takeaways
3C・SWOT分析で「市場の地図」を描いてから戦略を立てる
STPで「誰に・どのポジションで」を決め、施策の起点を作る
4Pで製品・価格・流通・プロモーションをターゲットに合わせて整合的に設計する
SNS運用はPromotion(4Pの一要素)として、戦略全体と一貫した設計が必要
受注時にクライアントのSTPを確認することが、質の高い運用の前提になる

理解度チェックリスト

確認テスト

本文の内容をどれだけ理解できているか確認しましょう。

Q13C分析の「3C」に含まれないものはどれですか?
Q2STPの設計順序として正しいものはどれですか?
Q34Pの整合性が崩れている例として最も適切なものはどれですか?