4
マーケティング研修教材 · Chapter 4
コンテンツ設計
「なんか良さそう」ではなく、「意図して設計された」コンテンツを作る。届けたいことではなく、刺さることを設計する。
3問でメッセージを設計できるクリエイティブの発想プロセスを持てるSNS別の設計の差異がわかる
メッセージ設計の3つの問い
コンテンツを作る前に、必ず答えるべき3つの問いがあります。この問いへの答えが曖昧なまま制作を始めると、「なんとなく作った投稿」になります。
誰に届けるか
ペルソナを起点に「今日のこのコンテンツは誰に届けるか」を一人に絞る。全員に届けようとすると誰にも刺さらない。
何を伝えるか
その人が今知りたい・感じたい・解決したいこと一つに絞る。複数のメッセージを詰め込むと記憶に残らない。
なぜ今・ここで
どのタイミング・どのプラットフォームで届けるのが最適か。同じ内容でもタイミングで効果が大きく変わる。
実践:コンテンツブリーフ
投稿を作る前に「このコンテンツは【誰】が【何】で困っている時に届け、【どんな状態】になってほしいか」を1〜2文で書いてみましょう。書けない投稿は、ゴールが定まっていないサインです。
企業視点の罠——最もよくある失敗
コンテンツ設計で最も多い失敗は、「自社が伝えたいこと」を発信し続けることです。顧客は自社の宣伝に興味がなく、「自分の課題解決」に興味があります。
- 「創業〇〇周年!感謝を込めてセール!」
- 「新商品が入荷しました」(顧客への価値が不明)
- 「〇〇賞を受賞しました!」(顧客に関係ない自慢)
- スペック・機能の羅列
- 「〇〇で悩んでいる人に知ってほしい3つのこと」
- 「この商品でこんな変化が起きました【使用前後】」
- 「このシーズンに役立つ〇〇活用アイデア」
- 顧客の生活シーンに商品を置いたビジュアル
- コンテンツを作る前に「誰に・何を・なぜ今」の3問に答える
- メッセージは一つに絞る。複数詰め込むと記憶に残らない
- 企業視点(自社の宣伝)ではなく顧客視点(相手の課題解決)で設計する
クリエイティブ思考とは何か
「クリエイティブ」は才能ではなく、プロセスです。センスのある人が直感で作っているように見えても、その背後には顧客理解・インサイト・大量の参考事例という「材料」があります。
クリエイティブの公式
優れたクリエイティブ=
深い顧客理解 × 明確なメッセージ × 表現の驚き
コンテンツ企画の実践プロセス
①インサイトを起点にする
「この人は何に共感・共鳴するか」をペルソナから考える
②大量に発散する
良い・悪いを判断せず、アイデアを20個以上出す。質より量
③評価軸で絞る
「3問(誰に・何を・なぜ今)に答えているか」で絞り込む
④表現を磨く
タイトル・構成・ビジュアルでメッセージをより強く届ける
参考事例のインプット習慣
優れたコンテンツを作るには、大量のインプットが必要です。競合・異業種問わず「なぜこの投稿は刺さるのか」を言語化しながら参考事例をストックする習慣が、クリエイティブの精度を上げます。
- クリエイティブは才能ではなくプロセス。インサイト×メッセージ×表現で成り立つ
- 企画は「発散→収束→磨く」のプロセスで行う
- 大量のインプット習慣がクリエイティブの土台になる
情報設計の3原則
どんなに良いメッセージも、情報の「見せ方・構造」が悪いと伝わりません。情報設計とは、受け手がスムーズに理解できるよう情報を整理・構造化することです。
優先度の明確化
最も伝えたいことを一番目立たせる。「全部大事」は「全部見えない」と同じ。
視線の流れを設計
人の目は「大きい→小さい」「明るい→暗い」「上→下」に流れる。この流れに沿って情報を配置する。
余白の活用
情報を詰め込むほど読まれなくなる。余白は「何もない空間」ではなく「読みやすさを生む設計要素」。
冒頭3秒の法則
SNSでは、ユーザーは無意識に「スクロールを止めるか・続けるか」を0.3〜3秒で判断します。この時間に「自分に関係ある」「続きが気になる」と思わせることが、コンテンツの入口設計の核心です。
- 「〇〇株式会社からのお知らせです」
- 商品写真+価格のみ
- 長い前置き・会社紹介から始まる
- 「みなさんこんにちは!」系
- 「〇〇で悩んでいる方へ」(対象者を明示)
- 「知らないと損する〇〇の話」(好奇心を刺激)
- 「実はこれ、間違いだった」(意外性)
- ビフォーアフターの強いビジュアル
- 情報設計の3原則:優先度の明確化・視線の流れ・余白の活用
- 冒頭3秒で「自分に関係ある」「続きが気になる」と思わせる設計が必要
- 詰め込まず、一つのコンテンツで一つのメッセージに絞る
LINE vs Instagram:特性の違いを理解する
- 特性: クローズドな1to1空間。友達追加した人だけに届く
- 向いている内容: クーポン・限定情報・購買後フォロー・アンケート
- CJMの位置: 購買→継続フェーズ
- KPI: 開封率・クリック率・ブロック率
- 注意点: 配信頻度が高すぎるとブロックされる
- 特性: オープンなビジュアルSNS。世界観が伝わりやすい
- 向いている内容: ブランドビジュアル・教育コンテンツ・ストーリーズ
- CJMの位置: 認知→興味フェーズ
- KPI: リーチ・保存数・プロフィールアクセス・フォロワー増加
- 注意点: 世界観の一貫性がフォロー判断に大きく影響する
設計の統合視点
Instagram(認知・興味)→ ホームページ(検討)→ LINE(購買・継続)というチャネル間の「バトンパス」を設計することが、クライアントのマーケティング全体に貢献する運用代行の姿です。「Instagramだけ」「LINEだけ」で考えず、ファネル全体でコンテンツを設計する視点を持ちましょう。
Chapter 4 まとめ
- コンテンツ設計は「誰に・何を・なぜ今」の3問から始める
- 企業視点ではなく顧客視点——自社の宣伝ではなく相手の課題解決を起点にする
- クリエイティブはプロセス:インサイト×メッセージ×表現で成り立つ
- 情報設計の3原則:優先度・視線の流れ・余白
- LINE(リテンション)とInstagram(アクイジション)の特性を理解してチャネルを使い分ける